セフレ探し

妻がいる身でセフレ探しというのは、多少は気が引ける部分もあった。それでも、セフレ探しを勧めてきたのは、妻の方だった。私も仕事をしているし、妻も仕事をしていて、確かに夫婦そろって忙しいということはある。最近、妻は昇進したらしく、帰りも遅い。数年前から、家事は週に何度か家政婦さんに来てもらってる。「セックスも外注しましょ」と妻の方から言いだしたんだ。「私は私でなんとかするから、そっちはそっちでセフレ探しでもして」と。こうなると、もう結婚している意味がないような気がして、どことなく寂しいというのか、腹立たしいような気持ちになってきて、やりきりなくなる。妻は仕事の方が楽しいらしい。私も仕事が楽しいというか、必要とされているという意識があるため、責任を持ってこなしている。セフレアプリだが、プライベートの充実が、よりよいセックスと深く結びついているわけで、やはり、セフレ探しのようなことをして得られるセックスで自分が満たされるとは思えない。妻とはずっとセックスレスだった。妻の仕事が忙しく、家に帰ると、ビールを飲んでそのまま床に入るような女だ。夫婦二人で一緒に何かした思い出というのは、新婚旅行くらいだろうか。新婚旅行はヨーロッパ周遊だった。私も妻も英語はできるが、フランス語やドイツ語、イタリア語など、からっきしダメで、言葉が通じない面白さを楽しんでいた。前向きな妻の楽しむ様子を見て、「この人と結婚してよかった」とその時は思っていたのだが。なにごとにも前向き過ぎて、大事なことをおろそかにしている今の妻に対して寂しさを感じてしまう。

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